ポイント
- インペインティングは絵の内側で直したい場所だけ塗って知らせ、その中を新しく埋め直す作業です。
- 埋める材料になるのは周囲の模様と色です。塗っていない外側はほぼそのまま残ります。
- 消すだけでもいいし、何を入れるかを文章で指示することもできます。
- 塗った場所が広いほど難しくなります。手のひらほどの跡は見分けがつきませんが、広く空けると模様がずれます。
- 元の姿が戻ってくるのではなく、それらしいものが新しく作られます。
たとえで理解する
壁紙が一か所破れたからといって、部屋全体を貼り直す人はいません。破れた場所より少し広めに切り取ってから、同じ模様が続くように新しい切れ端を貼ります。柄を合わせて継ぎ目を押さえておけば、どこを直したか分からなくなります。
インペインティングがしているのはこれと同じことです。写真の中で直したい場所を筆で塗って知らせると、周囲の模様と色を見てその中を新しく埋めてくれます。
切り取る場所が広いほど合わせるのは難しくなります。跡ひとつくらいなら分かりませんが、壁の半分が空いていると模様がずれて継ぎ目が目立ちます。
くわしく
直したい場所を塗って知らせます
インペインティングの道具を開くと、写真の上に筆が一本渡されます。塗った場所だけが作り直され、残りはほぼ元のまま残ります。こうして塗っておいた範囲をマスクと呼びます。紙に穴を開けて覆っておき、その穴の中だけ手を加えるのと同じです。
塗るときのコツは、少し広めに取ることです。消したい物の輪郭にぴったり合わせて塗ると、その物が落とした影や床に映った反射、輪郭のにじみがそのまま残ります。残った跡を見れば、何かがあったと分かってしまいます。
反対に画面の半分を一度に塗るのはよくありません。埋める場所が広くなるほど周囲から得られる手がかりが減り、見当違いのものが入り込みます。大きな物は二、三回に分けて消すほうがきれいに仕上がります。
周囲を見て内側を埋めます
絵の生成器で埋めるときは、過程が新しい絵を作るのとよく似ています。塗った場所を染みに戻したあと、段階ごとに少しずつ形を整えていきます。違うのは、塗っていない外側が段階ごとに基準であり続ける点です。外側を元の写真で重ね直すか、マスクと元の写真をいっしょに入力として受け取ります。だから内側が作られている間じゅう、外側と絶えず合わせられます。
おかげでレンガの目地や芝生、波、タイルの目盛りのように規則がはっきりした背景はとてもうまくつながります。反対に規則のない背景や複数の物が重なった場所は、周囲だけを見ても内側を見当づけにくく、結果が揺れます。
何を入れるかを言葉で指示することもできます
物を消す専用の道具は、文章なしでその場所を背景で覆います。写真に写り込んだ通行人や電線を消すときに使う方法です。文章を受け取る道具で文章の欄を空けると、背景の代わりに見当違いのものが入ることもあります。
文章を書くと話が変わります。塗った場所にその文章どおりの新しいものが入ります。鉢植えを置いたり窓を作ったり服の色を変えたりする使い方です。この場合も周囲の光と影に合わせて作られるため、別の写真を切り貼りするよりずっと自然になります。
文章を書くときは、塗った場所に入るものだけを書くのがこつです。写真全体を説明しようとすると、道具が外側の状況まで新しく描こうとして、塗った場所に見当違いのものが入ります。窓をひとつ作りたいなら窓のことだけ書いて、残りは周囲に任せるほうがうまくいきます。
継ぎ目が目立つ理由
結果が不自然なときは、たいてい境界で分かります。埋めた場所だけやけに滑らかだったり、焦点がずれていたり、光の向きが合っていなかったりします。元が暗い場所で撮られてざらつきの多い写真ほど、この差が目立ちます。
繰り返し模様でも目立ちやすくなります。床タイルや格子のように筋が一定な背景は、目が間隔を覚えているので、埋めた場所の筋がひと目盛りずれただけですぐに気づかれます。こうした背景では塗る場所を目地に合わせてまっすぐ取ると、結果がぐっとよくなります。
直し方は単純です。境界をもう少し広く塗り直してもう一度やり直せば、埋めた場所と周囲がいっしょに作り直されて継ぎ目が溶けます。一度に広く終わらせようとするより、分けて何度も手直しするほうが結果はよくなります。
もう少し正確に
絵の生成器で行うインペインティングは、マスクで示した場所だけを新しく作ります。一番単純な方式は、段階ごとにマスクの外側を元の写真から取ってきて重ね直すものです。これと違い、マスクと周囲をまとめて入力として学習した専用モデルは、重ね直さなくても外側に合わせて内側を作るので、境界がずっと自然になります。ただし絵を圧縮して戻す過程で外側がごくわずかに変わることがあるため、多くの道具は最後に元の外側をもう一度重ねてそのまま守ります。埋める場所をどれだけ強く作り替えるか決める目盛りを別に持つ道具もあり、値を低くすると元の形がうっすら残り、値を高くすると完全に新しいものが入ります。物を消す専用の道具には、ノイズを経由せず周囲を見て一度で埋めるモデルを使うものも多くあります。
たとえがずれる点もあります。壁紙は同じ模様のロールが残っているので本当に同じ模様を貼れますが、インペインティングはその場所に元は何があったか分からないままそれらしいものを作り出します。隠れていた物が消えて別の物が現れることもあります。また壁紙は貼った切れ端の材質がそのままですが、埋めた場所は焦点やざらつきの質が周囲と違い、よく見ると見分けがつくこともあります。
やってみる
よくある誤解
消した場所が元の姿に戻ると考えがちですが、実際には隠れていたものとは無関係に、それらしい場面が新しく作られます。
輪郭にぴったり合わせて塗るほど正確だと思われがちですが、実際には影や反射まで広めに覆わないと跡が残ります。
背景除去と同じ機能だと考えられがちですが、実際には背景除去が切り抜く作業だとすれば、インペインティングは空いた場所を埋める作業です。
ひとこと要約
インペインティングは直したい場所だけ塗っておけば周囲の模様に合わせてその中を新しく埋めてくれる機能で、大きな場所は一度に塗るより何度かに分けて手直しするほど継ぎ目が目立たなくなります。
誤りや、もっと良いたとえがありますか? 修正を提案する · 最終更新 2026-10-17