混同行列Confusion Matrix
正解と不正解の四つの場合を枠に分けた表
- 混同行列は正解と不正解の四つの場合を枠に分けて書いた表です。判定結果を一枚に広げた記録です。
- 四つの枠は、ちゃんと見つけたもの、無駄に選び出したもの、見逃したもの、静かに通り過ぎたものです。
- 正解率も適合率も再現率も、すべてこの表の枠から生まれます。 表が先で指標があとです。
- 一つの数字では見えなかったどんなふうに間違えたかが見えるので、何を直すべきか決められます。
- 分ける種類が三つ以上になると表は大きくなり、どの種類とどの種類を取り違えているかまで表れます。
目次
1たとえで理解する
建物の廊下に火災報知器が付いています。一年経って管理記録を開いてみると、二つの事実が並んで書かれています。その日実際に火が出たかどうか、そして報知器が鳴ったかどうか。
この二つを縦横に並べると枠が四つできます。火が出て報知器も鳴った日、火が出ていないのに鳴った日、火が出たのに静かだった日、何もなく静かだった日です。
一年分の日付をこの四つの枠に一つずつ入れると、報知器の成績表ができあがります。枠ごとに数字が違う形でたまり、その形がこの報知器がどんなふうに働いているかをそのまま見せてくれます。無駄な報知の枠ばかり膨らんでいたら敏感すぎるということで、静かだった火災の枠に数字が一つでもあれば大事です。
この四枠の表が混同行列です。
2くわしく
四つの枠にはそれぞれ名前がある
縦の列と横の行が交わる場所ごとに呼び名が決まっています。見つけたいものをちゃんと見つけた枠は真陽性、そうでないものをそうだと間違って選んだ枠は偽陽性です。本物なのに見逃した枠は偽陰性、そうでないものを静かに通した枠は真陰性です。
名前は難しく聞こえますが、規則は単純です。前の真と偽は判定が合っていたかどうか、後の陽性と陰性はそうだと言ったかそうでないと言ったかを指します。無駄な報知は偽陽性、見逃した火は偽陰性です。
この四つの呼び名を覚える近道は、まず自分が判定した側に立って読むことです。自分がそうだと言ったなら陽性、そうでないと言ったなら陰性、その判定が実際と合っていたなら真、外れていたなら偽と付けるだけです。
指標はすべてこの表から生まれる
正解率は四つの枠のうち正解した二つの枠を全部足して全体で割った値です。適合率は報知が鳴った二つの枠だけを見て、そのうち本物の火だった分を見ます。再現率は実際に火が出た二つの枠だけを見て、そのうち報知が鳴った分を見ます。
同じ表からどの二つの枠を組み合わせて見るかが違うだけです。だから指標の名前がこんがらがったときは、まず表を描いておいてどの行を分母に置くかを確かめれば、すぐに解けます。
指標一つだけを受け取っても残りの枠がどうなっているかは分かりませんが、表を受け取れば指標を全部自分で作ってみることができます。評価結果を受け渡すとき、数字ではなく表をくださいと言う理由です。
二つの間違いは重さが違う
表を見る本当の理由は、間違えた二つの枠を分けて見るためです。無駄な報知は人々が一度出て戻ってくれば終わりますが、見逃した火は取り返しがつきません。
この重さの違いは表を見てはじめて分かります。一つの数字にまとめられた成績は、二つの間違いを同じように一回ずつと数えるからです。どの枠が大きくなるのを引き受けてどの枠を減らすかを決めることが、実際の現場の選択です。
判定基準を締めたり緩めたりすると、二つの枠の間で数字が行き来します。敏感に合わせれば無駄な報知の枠が大きくなりながら見逃した枠が減り、鈍く合わせれば逆になります。表を二枚並べて見比べると、調整がどちらに働いたか一目で分かります。
種類が複数になると表が大きくなる
分ける種類が三つなら表は三行三列、十なら十行十列になります。対角線上にある枠がちゃんと当てた場所で、対角線を外れた枠はすべて取り違えた場所です。
大きな表では、どの枠が異様に厚いかを見ます。似た見た目の二種類が互いに行き来して混ざることがよくあり、そういう組み合わせは一つの枠に数字が集まるのですぐに目立ちます。学習資料をどの種類から多く集めるべきか決めるのに、そのまま使えます。
数字ではなく割合で塗ってみると、もっとよく見えます。種類ごとに資料の数が違うと、もとの個数だけでは比べにくいからです。行ごとの合計がそろうように整えておいて色の濃さで読むと、どの行がやけに薄いかがすぐに分かります。
3もう少し正確に
混同行列は実際の値と判定した値を二つの軸に置いて件数を数えた表です。どちらを横に置くかは決まった規則がないので、道具によって実際の値が行のときも列のときもあります。表を見るとき軸の名前を先に確かめないと、適合率と再現率を逆に読んでしまいます。
枠を個数のままにする代わりに、それぞれの行の合計で割って割合に変えることもあります。片方の種類がずっと多い資料では、個数のままの表が大きいほうに埋もれてしまうからです。二つの方式は同じ結果を扱っていても印象がかなり違って見えるので、表を受け取るときは個数か割合かをまず確かめます。
たとえがずれる点もあります。火災報知器の記録は日付という順序を持っていますが、混同行列は順序を捨てて件数だけを残します。だから、どの時期に間違いが集中したか、特定の条件でだけ間違えたかは、この表からは分かりません。それを見るには間違えた件を別に取り出して一つずつ見ていく必要があります。
4やってみる
5よくある誤解
混同行列は難しい計算だと思われがちですが、実際には判定結果を四つの枠に分けて数えて書いただけの表で、指標のほうがむしろこの表から生まれます。
表の四つの枠はすべて同じ重さだと思われがちですが、実際には無駄に鳴った枠と見逃した枠の損害はまったく違うので、どちらを減らすか選ぶ必要があります。
対角線の数字さえ大きければ良い表だと思われがちですが、実際には片方の種類が圧倒的に多いと対角線の一枠だけ大きくてもそう見えるので、行ごとの割合で見直す必要があります。
7ひとこと要約
つまり混同行列は正解と不正解の四つの場合を枠に分けて書いた表で、正解率も適合率も再現率も、すべてこの表の枠を組み合わせて作った数字です。
誤りや、もっと良いたとえがありますか? 修正を提案する · 最終更新2026-09-02